物事を客観的に捉えることは、どんな分野においてもとても大切なことです。
もちろん、野球においても客観的に捉えることでより野球というモノの理解を深めることができるようになります。
例えば、ある選手が「あのピッチャーのボールは速い」と言ったとしましょう。
しかし、また別の選手が「あのピッチャーのボールは遅い」と言ったとします。
どちらの言うことが正しいでしょうか?
実はこの問題、どちらかを正しいと結論付けることができません。
なぜか、それぞれの選手が主観的に判断したことだからです。
それぞれの選手の立場からすればそれぞれ正しいと言えるからです。
ここで欠けていることは、指標と基準です。
スピードガンで「球速」を測るというように何か指標を用いなければなりません。
また、何を基準にして速い、遅いと言っているのかを明確にしなければなりません。
つまり、客観的に捉えることができるようにしなければならないということです。
そうしてこそ正確に評価ができるようになります。
最近、ラプソードなどの分析器具が登場し、「あのピッチャーはのびがある」などの主観的な評価も「回転数やホップ成分」によって客観的な評価が可能となりました。
もちろん、ボールの出所の見難さや、独特なフォームによってタイミングが取り難さなど、主観的な評価も重要な手がかりになることはあると思います。が、いずれそのようなボールの見難さやタイミングの取り難さも測定可能となるのかもしれませんね…
(ここでは客観的に捉えることがどういうことかを取り上げ、客観的評価や主観的評価の是非については取り上げませんのでご了承ください。)
さて、物事を客観的に捉えるためには「俯瞰する」ことも重要になります。
大空から獲物を見つけ出す鷲のように、グランド全体を上から見る目を持つことです。
「押してダメなら引いてみろ」とは様々な駆け引きの場面で用いられる言葉ですが、一歩引いて「見る」ことで普段見えなかったモノが見える場合があります。
試合に没頭すれば視野が狭くなりがちです。
絶えず俯瞰することを心掛けると流れが掴めたり、機転の利いた作戦が展開できたりします。
また、野球というスポーツを野球という枠の中だけで考えるのではなく、スポーツ全体から野球を眺めて見てみると、異なって見えるモノがあります。
他の競技からヒントを得て野球に活かしている人たちも多くいます。
物事を客観的に捉えること、今日から意識してみてはいかがでしょう?